世阿弥には常にライバルがいた、そしてヒゲダンを想う

 

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(いらすとやさんからイラスト借用)

通信教育でいろんな講義を受講してますが

「日本芸能史」を勉強している時に気になった一文があります

日本の伝統芸能である猿楽(能楽)を父・観阿弥とともに大成させたといわれている世阿弥の説明文なんですが、彼には常にライバルがいたんだそうです

「常に世阿弥にはライバルがいた」

おおっ

日本芸能史の勉強中に"ライバル"という外来語が使われてるところに心奪われ、目を奪われたんですが

その次に思い浮かんだのはヒゲダンのこと

(そういえばヒゲダンには常にライバルがいるよな...)

望む望まないに関わらず、常に他のアーティストと並べて評価されてる気がするんですが、それはどのバンドやどのミュージシャンにも起こっていることかもしれない...しかしなんだかんだ比べて言われることが多くない???と感じる今日この頃です

世阿弥についてもう少し知識を整理しておくことにします

 

大和猿楽を率いて名を轟かせた観阿弥は元弘三年(1333)生まれ

世阿弥観阿弥30歳の頃の子供だと言われている

当時、都の人々をはじめ貴族にまで演技の評判は届いていた

永和元年(1375)、今熊野で猿楽を興行していた観阿弥一行の演技を見学しようと

時の将軍・足利義満が来ていた 評判を聞きつけ出掛けてきたのだ

そこで義満は少年・世阿弥の美貌と演技に惚れ込んだ、そんな伝記が残っている

義満の寵愛を受け、貴族の集う場にも同伴を許されるくらいに贔屓にされた

しかしその繁栄期は永遠に続くわけではなかった

世阿弥が20歳の頃、観阿弥が死去

また義満は近江猿楽の犬王を贔屓するようになっていた

義満の死後、次の将軍義持は田楽の増阿弥を贔屓する

くじ引きで将軍になった義教は音阿弥を贔屓していた

さらにこの将軍には酷い目に合わされ、世阿弥佐渡に流されることになる

義教の死後、世阿弥はたぶん佐渡を脱出してその後この世を去ったと言われている

 

世阿弥には常にライバルがいたからこそ、芸道に磨きをかけ努力を怠ることはなかった 

情熱を待ち続けて精進したのです

台本を残したのは世阿弥が初ということで、現在の能の演目にも数多く引き継がれています

ここからまだ私の学習が足りてないんだけど、猿楽(能楽)の奥義を書き記した『家伝(風姿花伝)』でこの道の完成を導いているとかなんとか

 

それで、なんでここでヒゲダンのことを持ち出してくるのかなんですが

Pretenderでホームランを打ち

宿命、イエスタデイ、I LOVE...と次々畳み掛け

大量リードをしていたその時あたりから

ファン以外の外枠からだんだんと野次が飛んでくるようになった

(※誤解のないように言っておきますが以下に記したのは一部のファンだかなんだかわからない人物と私とのSNS界隈でのお話です アーティストや大部分のファン達には当てはまらない話ですのでご了承を)

まずはミスチル周辺にいる取巻きみたいなとこから飛んできた野次

ミスチルの後継者」と言われることが多くなりそれが面白くないと感じる人がかなりいた

まあそりゃ若手の勢いにビビったり嫉妬したり足掬ってやりたくなる気持ちが湧く人達がいても不思議な話ではないです

米津玄師さんも昔、大ブレイクした時なんか言ってましたよね

「申し訳ねえ」みたいなことを

望んでない人の耳にまで音楽が届いてしまったから、うるさいいらないと文句が飛んできてしまうのです それも仕方ない

本人達は謙虚なバンドですが、周囲の期待と熱狂を背負い込んで嫉妬と罵声を浴びてしまった感

それが落ち着いてきたと思ったらYOASOBIが常にヒットチャートを席巻しヒゲダンの強力なライバルに

Pretenderの記録を夜に駆けるが脅かし

Subtitleの記録をアイドルが脅かす

Ayaseさんもまた勝手に周囲がヒートアップして何やら大きな勢力に期待を掛けられまくってる感

日米首脳の晩餐会の席に駆り出されてるし

最近ではMrs.Green Apple周辺からの洗礼を受けてる真っ最中 

わかるよミセスファンの熱狂ぶり

わかるけど頼むからもうヒゲダンと比べて語らないでね 

もう十分でしょ 

ヒットチャート席巻してよかったね

 

常に誰かと比べられライバルがいたヒゲダンは

音楽の芸を磨いてそれを極める道しか残されていなかった 

いや、というか藤原聡さんは自ら望んで音楽ヅケの日々を送って楽曲制作に変態的に没頭してるみたいです 変わった嗜好だって言われなくたって知ってる〜と鼻歌を歌いながら たぶん

出来上がってアルバムに収められた楽曲のどれを取っても素晴らしいこと!

皆さん『Rejoice』聴いてますか?

私はここのところ毎日聴いてますよ

お風呂の中でも聴くために防水スピーカーまで買いましたw

あちこちのファンダムからケンカを売られる度にこんちくしょう(あら、下品な言い回し失礼)と心の中は荒ぶってたわけですが、『うらみつらみきわみ』を聴いて憑き物が落ちたみたいに心がスッキリと軽くなりました 

働いてる皆さんはおそらく様々なビジネスシーンで黒い感情が吹き出そうになったそんな経験をお持ちのことでしょう 

そんな気持ちをデトックスするのにおすすめの一曲です 

二葉亭四迷みたくくたばってしまえとかもっと酷い言葉を叫びたくなるところを「転んでしまえばいいのに」っていうのが精一杯のヤサグレ具合です 

悪い奴になりきれないのがヒゲダンの優しさ

ミュージックを届けるというショービジネスの世界も

若さを好むという風潮はあるわけで

多様性の時代とはいえ

いつの世も美男美女とか

肌のツヤツヤした若者とか

そういうのが好まれるのは人間の本能から来てるんだからしょうがない

それを上回るような楽曲の素晴らしさとか

演奏の素晴らしさとか

それを備えている、またこれからも磨いていく

常に精進しているバンドだと

我々ファンは承知してるんです

ずっとStand By Youを一緒に歌いながらヒゲダンに付いていくと決めたファンがたくさんいるのです

B-Side Bluesを聴いてると、心が落ち着くと同時に、なんとなく夕暮れ時の寂しさみたいなものも感じます

最後のあたりの歌詞が心に留まりました

 

分厚い世界がやがて 

保存期限いつか迎え

僕らを追い出してしまったとしても

多分大抵困らないくらいでいいよ

大抵忘れられるくらいがいいの

(B-Side Blues /作詞 藤原聡)

 

スポットライトを浴びる位置にずっと居続けられる保証のないショービジネスの世界です

だから最後の一文も心の奥底に沁みます

 

失くしちゃなんないものはただ「続き」だけなんだ

(B-Side Blues /作詞 藤原聡)

 

バンド活動、ぜひずっと続けて欲しい

 

 

うらみつらみきわみ

うらみつらみきわみ

  • provided courtesy of iTunes

 

B-Side Blues

B-Side Blues

  • provided courtesy of iTunes

 

そういえば銀座に金春屋敷跡というのがあるらしいのですが、世阿弥の娘婿・金春禅竹は金春座の開祖です 紆余曲折あって世阿弥は観世座の座長ではなかった 佐渡島流しにされてた時に金銭的援助をしていたのも娘婿だったらしい

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江戸時代、能楽の大家達は今の銀座界隈に屋敷を与えられたのだそう

これはひょっとして『日常』のジャケット写真と似たような場所ではないですか

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